Log_0003 ー穏やかな記憶ー
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目覚めて間もない人形少女は、あやふやな意識の中歩き出しました。
歩いているうちに意識は段々とハッキリしてきて、人形だったときの記憶を少しだけ思い出しました。
「そうだ、私は"あの人"にとても大事にされていたんだ・・・」
"あの人"の顔や名前は思い出せませんでしたが、考えるだけで胸の奥が暖かくなりました。
「あの人に会いたい・・・!」
そう強く願い、人形少女はひたすら森の中を歩きました。